『木賊抄』は中西亮太(1992 - )の第1句集。序文:山口昭男、跋文:武藤紀子、西村麒麟。
著者は「円座」「秋草」「麒麟」会員。
大雪のすがすがしさよ手紙くる
風鈴に舌あり人に音のあり
いつまでもひとり愉しくいなびかり
伸びてゐる木賊と折れてゐる木賊
ガンジーの手の美しき青写真
元旦や山肌赫く母遠く
鳥の巣のあたたかさうに落ちてゐる
ラガーらの握り拳のまま入場
遠くよりわらひごゑする氷かな
猛禽の影のぬらりと草青む
うぢやうぢやと龜売られたる祭かな
こほろぎの髭の地面についてをり
魚の眼の暗きに光る秋の蠅
露草の遠くのこゑに揺れてをり
父親を跨いでゆけば霜柱
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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