『青き方舟』は山田牧(1972 - )の第2句集。跋文:角谷昌子。
著者は「磁石」同人。
袋より取り出すランチ春の雲
六月やワイパーの弧を繰り返す
ビル街を映すビル街冬うらら
立春大吉型よりプリンすつと出づ
あぢさゐのあまたの海に漂はむ
星空に電車が走る植田かな
冬の水後ろ髪引く重さあり
図書室に探す横顔夏の雨
歳晩や脚立を借りに行つたきり
人参の陽気な色をみぢん切り
街の音透きとほりたり梅雨の月
癖つ毛の家系なすびの硬き蔕
アマリリス互ひに話聞かざるも
ゆつくりとナイフ滑らせラ・フランス
木の匙のほろほろくづすカリフラワー
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
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