『若菜』は小宮澄江(1933 - )の第1句集。序文:林誠司。
著者は「海」同人を経て「星雲句会」「梅句会」所属。
雨ふりて女人高野のとろろ汁
クラス会終へて一人の長き夜
バスで行く皇居の奉仕鰯雲
路地裏に残る古着屋実朝忌
八十歳と書くためらひや春寒し
お茶ですよと娘の声や桃の花
畦道はつねにぬかるみ稲の花
遠き日のまた遠くなり敗戦忌
獅子の口噴き出す水に春兆す
濡れながら光つてをりぬ甘茶仏
七度の干支を迎へて雑煮椀
竹竿を空に廻して栗落とす
吊橋や瀞にたゆたふ花の塵
百合の花雨滴もつけて仏前に
あたたかや定年過ぎし子の新居
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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