『谷さやん句集』は谷さやん(1958 - )の第2句集。解説:坪内稔典。
著者は「船団」散在後、「窓と窓」常連。
春の星メモへ鯨のマグネット
蛇が来て窓は四角に飽きました
つやつやととぐろを巻くよ柿の皮
草の花女子も男子も四股を踏む
ネクタイに何頭の象クリスマス
牡丹雪タンスが父のように在る
かじけ猫に東京と名付けよう
どの靴についていこうか春の雨
夏草のような寝ぐせのままに逢う
接吻も酢牡蠣も水平線も好き
生涯のアパート暮らし香水瓶
風光る時計修理は窓向いて
秋の暮小さいけれど早い船
毛布のなか滝の名前を言い合って
雲が湧く揚羽もわれも可燃性
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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