『星飛んで』は志村斗萌子(1973 - )の第1句集。序文:藤田直子。
著者は「秋麗」同人。
恋愛の偏差値低し水着きて
寒菊やだんだん祖母に忘れらる
台風のちかづく夜に逢ひにゆく
九十四歳祖母永眠 三句 より
冬の日や人形のごと祖母抱かれ
薔薇の芽や父とは違ふ夫の癖
山道の夫の早足青嵐
浴衣買ふ大きな柄を見立てられ
雨雲に成らんと霧の立ち上る
新任の上司の口調春の雷
魚狙ふ鷺の背後の寒さかな
繰り返し見る夢のあり水中花
真つ白な新のハンカチ借りにくし
今にして気づく皮肉や椎の花
祖父眠る山に老鶯鳴きにけり
夕焼雲父の歩幅の狭くなり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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