9月分。
病院に行ってみたら血圧が急に大幅に上がっていて、10月に入ってからろくに何も読めなくなった。
田中光二『銀河の聖戦士』は以前、徳間文庫版で読んだはずだが、あるのを知らなかったトクマ・ノベルズ版を100円で見かけて買ってしまった。
山崎るり子『詩集 猫まち』(ふらんす堂)は著者から寄贈を受けました。記して感謝します。
サンド『愛の妖精』旺文社文庫・1966年
《双生児のシルヴィネとランドリ兄弟は深く愛し合っている。ランドリはたくましい若者に成長し、頭がよくて、おてんばのふしぎな少女ファデットを愛するようになる。ランドリのやさしい忠告で、彼女はみちがえるほど美しくなった。ところがシルヴィネも同じようにこの少女を愛してしまった……。動乱の時代に書かれた田園の愛の物語。》
中上健次『天の歌―小説 都はるみ』中公文庫・1992年
《歌うことで世界と触れはじめた少女春美が、歌と格闘しながら、歌の魔力に憑かれた大歌手都はるみに成長するまでの半生――。都はるみの歌う歌謡に、生の力を与える天の歌、現代の語り文学の胚胎を読みとった著者による、異色の伝記小説。》
里村欣三『河の民―北ボルネオ紀行』中公文庫・1978年
《太平洋戦争下、北ボルネオの大河キナバタンガンをさかのぼり、〈文明〉の汚れを知らない自然と、そこに生きる未開の人たちとの心のふれあいを、透徹した眼で捉えた人間愛あふれるレポート。》
岡林洋『廃墟のエコロジー―ポスト・モダンからの見なおし』勁草書房・1988年
《ロマン主義を滅びの美学ではなく、過去の様式での仮装・引用と捉え、ポスト・モダン、エスニックへの流れをしめす。》
マリオ・アマヤ『アール・ヌーヴォー』PARCO出版局・1976年
《本書は地域的に内容的に広い範囲に及ぶアール・ヌーヴォーを綜合的に把握すると同時に、デザイン史の上でその位置づけを行って、複雑に錯綜した現象を明快に整理している。》(訳者あとがき)
埴谷雄高『闇のなかの思想―形而上学的映画論』潮出版社・1978年
《この映画随想の意図するところは、冒頭に述べられている通りであって、映画の批評を目的としてはいず、闇のなかの方形のスクリーンを眺めている裡に触発された私のいわば勝手気儘な連想や回想を書きつらねたものである。》(あとがき)より
アナイス・ニン『近親相姦の家』太陽社・1969年
《ヨーロッパの血を継ぎ、シュルレアリスムの洗礼を受けたアナイス・ニンは、この作品中で、近親相姦という人間精神の禁域を犯して、ひとつの新たな文学空間へ飛翔しようと試みている。1930年代のパリ、ヘンリー・ミラーを育て、ローレンス・ダレルをその文学へ導いた彼女は、また自ら、暗く、迷宮に似た精神の内奥の通路を、光明と翳影を、苦悩と恍惚を、そして時には精神の死を選んできた。果たしてこの通路が、現代文学の徒花へわれわれを導くのか、あるいは、自由のみなぎる魂の聖域へわれわれを導くのか、30年代のデーモンたち、バタイュやミラーの激しい暗闘と共にかえりみる必要があるだろう。》
谷川俊太郎『谷川俊太郎の33の質問 続』ちくま文庫・1993年
《もう一度この「33の質問」をすることになった時、著者は書いた。「むかしつくった質問を、たわみながらすべってゆく時代を生きる新しいひとたちに投げかけてみたくなった。予期せぬ答におどろく快楽を、ふたたび私は夢見ている」手塚真、野田秀樹、伊藤比呂美、高橋源一郎、川崎徹、鈴木ユリイカ、高橋悠治。
7人のゲストの答を楽しみながら、自分だったらどう答えるか、思わずドキドキしてしまう対話集。 解説 沢野ひとし》
伊藤左千夫『野菊の墓』集英社文庫コバルトシリーズ・1977年
《のどかな田園に芽生えたいとこ同士の幼い恋――きょうだいのように育てられた政夫と民子の二人は、思春期のふとした出来事から、お互いにほのかな思いをいだきはじめる。しかし二つ年上の民子に世間の風は冷たい。やがて政夫は、追いやられるように道くの学校へ、その間に民子には一方的な縁談が……。きよらかな涙をそそる純愛小説の古典「野菊の墓」他、歌人、伊藤左千夫の代表作を収録。》
収録作品=野菊の墓/姪子/守の家/奈々子/隣の嫁/春の潮
斎藤環『承認をめぐる病』ちくま文庫・2016年
《「他者の許しがなければ、自分を愛することすら難しい」という「承認依存」が広まっている。だからといって、そんな風潮をただ批判してもはじまらない。カルチャー、事件、新型うつなど、現代世相の背景に通底する承認依存をまずは見つめること。そして問題の“解決後”を想像してみること。「承認をめぐる病」の処方箋を、精神科医が模索する。 解説 土井隆義》
清水一行『事件屋悠介』徳間文庫・1986年
《大洞悠介、三十二歳。坊主頭で茫洋とした風貌の巨漢。建設汚職で罪をかぶり、Y県庁を懲戒免職となった悠介の夢は、青年億万長者になること。そしてあみ出した金儲けの秘法が、何と“汚職取扱い商事”。汚職情報をネタに、汚職の元凶に喰いこみ、うわ前をハネるという商売なのだ。ぬれ手で粟とはこのことか!?
自称“正義の味方”、虚々実々の新商売、悠介の快進撃は続くが……。痛快長篇小説。》
佐藤亜紀『スウィングしなけりゃ意味がない』角川文庫・2019年
《ナチス政権下のドイツ、ハンブルク。軍需会社経営者である父を持つ、15歳の少女エディが熱狂しているのは、敵性音楽の“スウィング”だ。歌い踊り、天才的な即興に驚嘆する。ゲシュタポの手入れを逃れるのもお手のものだ。だが音楽に彩られた日々にも、戦況の悪化が不穏な影を落とし始める……。権力と暴力に蹂躙されながらも、自分らしく生きようと闘う人々の姿を、ジャズのナンバーとともに描きあげる、魂を震わせる物語。》
斎藤環『キャラクター精神分析―マンガ・文学・日本人』ちくま文庫・2014年
《ゆるキャラ、初音ミク、AKB48、サンリオキャラ―。次々と多様なキャラクターが登場し、ときに爆発的な人気を得ている現代日本。「いじられキャラ」のように、人間関係にまでこのキャラは用いられるようになった。いまやキャラクターは、我々の日常生活に深く浸透している。こんなにも日常化したキャラとは、一体何なのか? キャラ文化の諸相を横断し、原理的な考察により究極の定義を与えた画期的な論考!》
田辺聖子『ダンスと空想』文春文庫・2011年
《女がいちばん美しくて健康なのは、三十代、四十代じゃないかしら? 神戸でアトリエを経営するカオル、編集者、デザイナー、ダンサーら、力強く自由奔放に生きる独身女性たちの花盛りの日々を描く長編小説。頭の固い男たちを優しくいなして仕事を進め、思う存分議論を戦わせ、女子会で旨いものを堪能する。これぞ人生賛歌!》
菅浩江『永遠の森 博物館惑星』ハヤカワ文庫・2004年(日本推理作家協会賞)
《地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館〈アフロディーテ〉。そこには全世界のありとあらゆる芸術品が収められ、データベース・コンピュータに直接接続した学芸員たちが、分析鑑定を通して美の追究に勤しんでいた。総合管轄部署の田代孝弘は、日々搬入されるいわく付きの物品に対処するなかで、芸術にこめられた人びとの想いに触れていく……。優しさと切なさの名手が描く、美をめぐる9つの物語。日本推理作家協会賞受賞作。》
阿部昭『未成年と12の短篇』福武文庫・1994年
《思春期の性の問題を抱える主人公が、人生の敗残者のような父親の孤高かつ純粋な姿を通して、この世に生きて在ることの哀歓を感じとっていく様を切々と描き出した秀作「未成年」ほか、湘南鵠沼を舞台にさりげない日常の風景の中で交わされる「生きた」言葉や表情を端正な文体でとらえた12の名篇を収録する珠玉の作品集。》
収録作品=未成年/あこがれ/明治四十二年夏/子供の墓/自転車/天使が見たもの/海の子/家族の一員/怪異の正体/三月の風/みぞれふる空/小動物の運命/水にうつる雲
田中光二『銀河の聖戦士』トクマ・ノベルズ・1981年
《突然の事故に見舞われた矢吹剣は、惑星アルーシアの一級空尉ケン・コズモに転生したが、そのころアルーシアは、敵惑星ザーンとの百年戦争で人々は疲弊し、兵士たちもその戦いの本来の意義を忘れかけていた。
戦いを終結させるべく起ち土がったケン――が、逆に反逆罪で流刑の惑星ゾエアに追放されてしまう。そこで巡り合ったザーンの政治犯だちとともに、ケンは最後の“聖戦”に挑むのであった。
壮大な宇宙空間を舞台に、戦争の呪縛から人類解放を描く感動作。》
山崎正和『柔らかい個人主義の誕生―消費社会の美学』中公文庫・1987年(吉野作造賞)
《石油危機で明け、不況と経済摩擦で暮れた過渡期の七〇年代から、新しい個人主義と,成熟した〈顔の見える大衆社会〉に進む八〇年代へ。十年毎に大変貌を遂げる日本の同時代史。消費文化論ブームを惹起した、イメージ豊かな日本の現状分析。吉野作造賞受賞。》
フレデリック・フォーサイス『オデッサ・ファイル』角川文庫・1980年
《“オデッサ”とは、ナチス親衛隊(SS)のメンバーの救済を目的とする秘密組織のことである。西ドイツの政財界に隠然たる勢力を持ち、国際政治の裏面でも暗躍していると言われる。
ハンブルクに住むルポライター、ペーター・ミラーをオデッサと結びつけたのは、老ユダヤ人が遺した一冊の日記だった。そこにはリガの収容所での悲惨な体験が克明に記されていた。そしてリガの殺人鬼と異名をとった収容所長、ロシュマンは、名前を変え、今もドイツに生きているという。
日記のある箇所がミラーの注意を惹いた。彼は憑かれたようにロシュマンの追跡を始めた。だが、それはタブーヘの挑戦であり、恐るべき組織の手は次第にミラーの身辺に及びはじめた…。》
城山三郎『危険な椅子』角川文庫・1976年
《化繊会社社員の乗村は外人相手の渉外連絡課課長に任ぜられた。やっと、つかんだ課長の椅子である。が、その仕事はマンキイ・ビジネスと呼ばれ、外人のバイヤーに女を抱かせ闇ドルを取り扱うのが主な内容である。ある日、不法取引の契約書が入った乗村の背広が紛失し、乗村と部下の光野は警察から外国為替管理法違反に問われ逮捕された。これら一連の事件が専務派の陰謀と知った光野は、株主総会で真相を明らかにしようとしたが……。
ロッキード事件を彷彿させ、組織にがんじがらめにされた課長の椅子の、もろさと生き方を描いた力作長編!》
清水一行『最高機密』角川文庫・1979年
《ヘッド・ライトを消した車が追ってくる気配を、立川は背後に感じた。その直後、急に高まったエンジン音に、危険を察知した立川は同行の矢野の肩を摑み、道端へ逃げようとした。だが、無意識に踏んばった矢野の身体は、反動で道路の中央によろけ出た。鈍い衝撃音を残し、矢野を跳ねた車は瞬く間に闇の中へ走り去った!
取引先の営業部長矢野の変死に続き、立川の家の飼い犬が毒死した。その日偶然、立川が飲まなかった牛乳を飲んだためだ。そして更に……。膨大な利潤をもたらす、企業の最高機密を握る男の周辺で続発する殺人事件の謎は?
企業小説の第一人者が新分野に敢然と挑戦した傑作長編本格推理。》
ジャン・ジュネ『花のノートルダム』新潮文庫・1969年
《一読してわかるように『花のノートルダム』は、作者ジュネの〈置き換えられた自伝〉小説だ。主人公のディヴィーヌはもとより、登場人物のほとんど全部に、作者ジュネの経歴が、心の姿が宿されている。この小説のどこやらに、ジュネは書いている、〈すでにお気づきと思いますが、私は、ディヴィーヌの肩には、真偽の差こそあれ、結局自分の運命を、ときにはボロのように、ときには宮廷服のように着せかけているにすぎないのです〉と。》(あとがき)より
クロード・レヴィ=ストロース『野生の思考』みすず書房・1976年
《文明社会の思考に野生の思考を対峙させ、戦後思想に革命的転換をもたらした、構造主義の原点。》
ジュリア・クリステヴァ『ことば、この未知なるもの―記号論への招待』国文社・1983年
《言語学の創出からその発展をたどり、現代の記号論にいたるまで、わかりやすく著述された、言語学・記号論の入門書。若きクリステヴァが『セメイオティケー』と同時に刊行した才気あふれる処女作。》
河野典生『陽光の下、若者は死ぬ』角川文庫・1973年
《――大して危険をともなわず、無駄骨と知りながらデモをするしか能のないヤツラめ! チクショウ、あいつらにも霊柩車が必要なんだ。
私服が獲物をあさってうろつく厳重警戒中の空港周辺。衆をたのんで、騒ぎたてる学生デモ隊をしりめに、外相暗殺を狙う不隠なグループ。うすぎたない青春、打算でつながっているにすぎない孤独な若者たちの暴発するエネルギー、破滅への前奏曲は……。
ビートジェネレーション、反俗的な青春を主題にした河野典生の一大傑作。》
収録作品=溺死クラブ/憎悪のかたち/ガラスの街/カナリアの歌/新宿西口広場/ラスプーチンの曾孫/殺しに行く/陽光の下、若者は死ぬ
レイナルド・アレナス『めくるめく世界』国書刊行会・1989年
《実在した異端の怪僧セルバンド・デ・ミエル師の波乱に満ちた生涯を元に、全篇を通じて現実と幻想が混淆した途方もない挿話が繰り広げられる奇想天外な歴史小説。キューバの亡命作家アレナスの“幻の書”。 》
アクショーノフ『星の切符』集英社文庫・1977年
《ディームカは17歳。彼は教養豊かな両親や学者タイプの兄にとりまかれた生活すべてに不満だらけだ。「大学なんてナンセンスだ。進め! ぼくの人生へ!」かび臭い都会や小市民的な家庭の慣習をすっぱり棄てて、家をとび出した若者の前途には……。現代ソヴィエトの青春群像を活写して世界的な評価を得た問題作。》
小松左京『未来からのウインク―神ならぬ人類に、いま何が与えられているか』青春出版社・1996年
《21世紀の到来を目前にしたいま、“宇宙船地球号”の未来論がさまざまな分野で語られていますが、私自身はちょっと抵抗ものの表現だという気がしています。
地球はそうそう人類の目的に合致するようにはつくられていない。科学技術の進歩がその地平に到達した時点でさえ、はたして地球を宇宙船にしてしまうことが、人類にとっていいことなのかどうかは疑問です。
獲得した高度な技術が逆に、人類の幸福や繁栄を裏切るという皮肉は過去の歴史にもあり、未末史にも十分隠されている気がします。
さらに、人類にとって地球の宇宙船化が適切な判断であったとしても、地球そのものにとってそれが“幸福”なことかどうかは、知るすべもないことです。 ――本文より抜粋――》
山崎るり子『詩集 猫まち』ふらんす堂・2022年
《◆猫と詩人の日々
――詩の中にそっと猫がいる。言葉に、猫の存在に、ぎゅんとした
石黒亜矢子
◆内容紹介
岸
向こう岸には一番好きな人を
迎える場所があって
そこに一ぴきの猫が座っている
こちらの岸からゆっくりそこへ
渡っていく人がいる
体を脱いで もうはっきりと
行きたいところへ行けるのだ
(5月24日)》
サガン『愛は遠い明日』新潮文庫・1987年
《フランス北部にあるサンソン鉱業の会計課に勤めるゲレは、貧しくおとなしい若者だった。冬の日の夕方、下宿に帰る途中、ぼた山付近で巨額の宝石を拾ったゲレの運命が狂いはじめた! 欲望と夢と虚栄心から強奪犯人になりすましたゲレ。強かな野心で彼を誘惑する下宿の女主人マリア。過去をもつ年上の女に翻弄されながら、アフリカでの愛の生活を信じる若者の悲劇を描く長編小説。》
豊田穣『四本の火柱―高速戦艦勇戦記』集英社文庫・1979年
《狂瀾怒濤の太平洋全水域において武勲赫赫、帝国海軍の花形と謳われた高速戦艦、比叡・霧島・金剛・榛名。その名艦の歴戦のさまを、ミッドウェー、南太平洋、ソロモン沖、レイテ沖等の壮烈な海戦に追いながら、大艦巨砲の戦艦群が辿った栄光と悲劇的末路を描破する長篇海戦記。ほかに真珠湾奇襲作戦を立案した黒島亀人少将の波瀾の後半生を活写した「仙人参謀」を収録。 解説・小木曾新》
井上ひさし『ボローニャ紀行』文春文庫・2010年
《「国という抽象的な存在ではなく、目に見える赤煉瓦の街、そしてそこに住む人たちのために働く、それがボローニャの精神」。文化による都市再生のモデルとして、世界に知られたイタリアの小都市ボローニャ。街を訪れた著者は、人々が力を合わせて理想を追う姿を見つめ、思索を深めていく。豊かな文明論的エセー。解説・小森陽一》
サガン『赤いワインに涙が…』新潮文庫・1987年
《それはただ単に、交通渋滞のための遅刻だったが……。恋人を待つ1時間に人妻の心に去来した不信が招く愛の終り。夏の昼下り、夫の浮気を目撃しショックを受けた若妻は、ニースのカジノで幸運を8に賭けた……。いつしかなれあいになった夫婦関係で、離婚を決意する夫の心情。若者の残酷な愛のエゴとジェラシーなど男と女の微妙な恋愛模様を背景に、愛の皮肉と優しさを描く短編集。》
収録作品=猫とカジノ/ある決闘の結末/未来の女/田舎への小旅行/コースの中途で/「早くも一年」/遠い縁の従姉妹/思い出よ…思い出よ…/交換/タイミングの問題/赤いワインに涙が…/舞台音楽/三人称単数
南条範夫『右京介巡察記』徳間文庫・1987年
《徳川の世、将軍の代替り時に諸国の施政査察を任務とする巡察使も、泰平の続く中、贈賄・饗応に堕していた。一人、三重・藤堂、信州・真田両藩の乱脈ぶりを追及しようとした巡察副使・瀬名伝右衛門は謀られて切腹、家名は断絶した。
十五年後、父の無念を晴らすため遺児・市太郎は紫右京介と名乗り出府、家治の十代将軍就任に際し真正巡察使を自称、佞臣汚吏の糾弾に立った……。傑作時代長篇。》
望月麻美子・三浦たまみ『早わかり! 西洋絵画のすべて 世界10大美術館』ビジュアルだいわ文庫・2014年
《やっぱりすごい、世界最高峰の美術館!名実ともに世界一のルーヴル美術館、アメリカンドリームなメトロポリタン美術館、金満主義のエルミタージュ美術館、印象派の殿堂オルセー美術館、建物が美的センスに欠けるロンドン・ナショナルG、個性的すぎるプラド美術館、ルネサンスの宝庫ウフィツィ美術館、ずっと無料ワシントン・ナショナルG、宮殿の中にあるヴァチカン美術館、豪華絢爛なウィーン美術史美術館。きっと行きたくなります! 》(「BOOK」データベースより)
倉橋由美子『老人のための残酷童話』講談社文庫・2006年
《鬼に変貌していく老婆を捨てた息子と、その嫁の意外な末路とは……。「姥捨山」や、織女と牽牛の「天の川」といった、有名な昔話をベースにしながらも、独特の解釈で綴られた10の物語。大ベストセラー『大人のための残酷童話』の著者が、性欲や物欲、羞恥心といった、人間の奥底にひそむ感情を見事に描きだす。》
収録作品=ある老人の図書館/姥捨山異聞/子を欲しがる老女/天の川/水妖女/閻羅長官/犬の哲学者/臓器回収大作戦/老いらくの恋/地獄めぐり
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