『母よ』は豊里友行(1976 - )の第5句集。
著者は「月と太陽(ティダ)」代表、「藍生」会員。
?のフラミンゴで埋まる思考回路
反戦デモの渦ときには蝸牛
蝉尽きて
宇宙風船の
結び目
熱帯魚の視線が泳ぎ頁めくる
戦争の眼をした蝶の翅つまむ
この虹も国境線の鞭ですか
土筆の天辺の天道虫は風
航海は琉球料理のひと匙
十六夜のよくオスプレイ飛び交います
人体は宇宙ダーウィンの冬麗
夢も発芽する星空の黒板
翅を覗くと昆虫模様の東京
螢烏賊スマートフォンの闇が太る
戦世(ゆ)の風化の闇しろい便器
ういるす籠りの母よ我が夢野ごらん
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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