『青水草』は鈴木光影(1943 - )の第1句集。帯文:齋藤愼爾。
著者は「沖」同人。
人日や猫になりたい人ばかり
滑稽な生き物が喰ふ泥鰌鍋
幽霊にしては日傘をさしてをる
水見えてくるや海月をみてをれば
紫陽花の湖底の辻にありぬべし
大晦日しづかな方へ歩みけり
少年の涙痕(るいこん)に生ふ青水草(あをみぐさ)
歩き来て顔に渦なす枯野人
鯛焼の少し笑つてゐるらしく
夏草のふいの殺気を怖れけり
牡蠣しろく震へて唇に迎へらる
十薬のいちど亡びてきたやうに
火の水に変はりゆくかに秋の蝉
「復興五輪」果て福島の秋の風
段々と内に覚めゆく桜かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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