『ミルク飲み人形』は山田千里(1951 - )の第2句集。
著者は「ぶるうまりん」代表。
十五夜の機械のごとく介護する
セーターに母の白髪がついている
ブリーフ一枚うつろな人間のおぼろ月
母を抱き二月の空がうしろにある
額縁からはみ出している夕焼け
母の軽さよ 黒揚羽ゆく
寒の雨玉葱の断層にいる少女
あの人は嫌い 布で作った雨蛙
芒原ななめに話す老婆かな
消しゴムで自分を消して秋に入る
サメ担ぐ男の裸の静寂
梅雨曇りのぞいた穴に眼があった
木枯しにチョコレート的別離
濡れた手が乳房をつかむ夕焼け
ソーダ水行方不明になったまま
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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