『ふたつの部屋』は松本余一(1939 - )の第2句集。序文:林誠司。
著者は「ひろそ火」「海光」会員。
牡丹雪吸ふつくばひのまた光る
オリオンの帯貫きて鶴帰る
海底より見上ぐる水面風光る
裏山に登れば多摩と甲斐の春
うららなり眠るも死ぬも眼鏡とる
パラグライダー夏空のせりあがり
老人に水着売り場の大鏡
湿原は大いなる画布水芭蕉
復活は誰にもあって万年青の実
ゲルニカの馬にたづねよ八月来
大仏の頭が見えて秋めけり
盆の月助手席にゐる妻の影
この川にまぎれてゆけば秋の海
銀河より水のこぼれてへちまかな
冬帽や落ちたら割れる陶器市
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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