『ぜんぶ残して湖へ』は佐藤智子(1980 - )の第1句集。栞文:佐藤文香。
夜ごと春めいてリニアモーターカーの駅
スヌーズやちりとりに降る春の雪
海苔炙るすべての窓が開いていて
紙詰まり直しにすぐに春の指
炒り卵ぜんぶ残して湖へ
まだパジャマ紫陽花が野菜みたいで
梅雨を祝う椅子の回転を使って
塗り薬飲むヨーグルト寒い梅雨
ペリエ真水に戻りて偲ぶだれをだれが
夏の星スライダー全球打たれ
天高く旅先の図書館に居る
次郎柿父は微笑んで寝ている
冬の陽の細くて魚肉ソーセージ
バスマットとりこみクリスマス始める
千両がつやつや午後を早送り
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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