『旅懐』は森田純一郎(1953 - )の第3句集。
著者は「かつらぎ」主宰。
風吹けど浮巣全容見せ呉れず
父死去
夏の季語増え来し頃や峠逝く
夏痩の耳に英語の呪文めく
墨まみれなる手にて選る糶の蛸
交野市神宮寺墓参 二句 より
ポンプ井を汲むが楽しき墓参かな
何となく家族の集ふ夜長かな
何やかや蠢く干潟去りがたし
ニューヨーク 三句 より
万緑に溶け込むごとく着陸す
どこにでも端居できさう志賀旧居
鯛おまけされて福笹なほ撓る
漂流のビニールプール出水川
隙間風さぞや海女小屋トタン張り
クリスマス神父老いたり吾もまた
滝道は滑ると決まり我滑る
ボケ封じ札に蓑虫ぶらさがる
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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