開成学園俳句部の部誌「紫雁」第19号(2021年9月)の「紫雁集Ⅰ~Ⅳ」と「顧問の俳句」から全員一句ずつ。
以下、高三の作品。
心臓はしづかに飢ゑて焼野原 垂水文弥
以下、高二の作品。
海鳥はかがやきやまず旅始 荒川力也
次々と利発な音よ木賊刈る 佐伯冴人
春雨や楽器に満ちて昏い部屋 佐々木啄実
筋肉の三人立つてゐるプール 佐藤 颯
茄子の紺巴里の夜空に劣らざる 鈴木ヒロアキ
月蒼し熊が大樹に傷をつけ 中川収三
家ぢゆうの花に倦みけりカーペット 根木波輝
別館へみじかき橋や欅の芽 谷田部慶太
枯芒ビルの光となる前の 山崎勇獅
以下、高一の作品。
冬薔薇を土耳古の壺の過りけり 鈴木丈句朗
いかのぼり夜空を知らぬゆゑあかるし 林 洸輝
鯖雲は微妙な隙間保つてゐる 野口翔太朗
残月とビルと吊革顔の堅さ 渡部 一
以下、中二、中一の作品。
睡蓮に時計が狂ひ始めたり 工藤直樹
新雪はよごされるためつもりけり 田中 仁
以下、顧問の作品。
物件のひんやりとして初桜 佐藤郁良
被写体のみなくたびれて聖夜かな 近藤 剛
こんな夏の海で受けたくない電話 石丸恵彦
コメント
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