『間氷期』は是永舜(1943 - )の第1句集。
著者は「是永駿」の本名で詩集『宙の上』『穏やかな剝離』、訳書に北島『北島(ペイタオ)詩集』『波動』『ブラックボックス』、芒克『芒克(マンク)詩集』『時間のない時間』、戈麦『戈麦(ゴーマイ)詩集』等。
童子ふたり梅の林に遊び消ゆ
天領の雛に恋する大天狗
点となり光となるや揚雲雀
町を出て雨に儚(はかな)き梨の花
浮雲をきのふの蓮に雨蛙
うたれ哭(な)けやさしき夏の雨脚に
万緑の中を金印墜ちゆけり
麦揺れてゐる少年の日の吐息
潮騒や爬虫類のころのきみ
離脱して幽体危ふき暑さかな
栗ご飯お櫃(ひつ)をのぞく吾子と吾
落葉焚く五臓六腑の透けるまゝ
海鼠皿あえかに藍の引かれをり
海月知る海鼠の恋や間氷期
初春や何あらたまる巌(いは)に苔
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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