『凍滝』は高岡修(1948 - )の第8句集。
著者は「形象」主幹、「歴程」同人。
初蝶のおののくは世の生れしこと
蝶の骨顔にかくして山河とす
己(し)が影の殺意に凭れ春の斧
判決は椿たるべし椿する
花の闇臓器をすべて入れ替えて
人に失せAIに生(あ)れ花の影
肉桂のスティックで混ぜ脳死論
情死してまた昼顔に流れ着く
誰の背にもある空蝉の裂けめ跡
空蝉の群らがり止まる空がある
永劫をふと横切って悲しがる
餓死したる子の闇が聴く遠花火
夜のコンビニたむろし氷河溶かしおり
次の世へ顔を流しにゆく銀河
月光の痛点あつめ村ひとつ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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