『たかざれき』は加藤知子(1955 - )の第3句集。
著者は「We」共同編集発行人、「豈」「連衆」同人。
とうさん天道虫と鉄塔へ
よく眠る骨はこどもとカシオペア
ひえびえと乳房の方へ向く流沙
花は実に露出狂にしてランナー
脳の襞さわぐ鏡の間の万緑
蓬摘む死神少しかわいい
だんご虫丸まり人に恥骨あり
猪の眼のかなしむものにアドバルン
AV女優すみずみにすみれ描く
耕してしづかになりぬれんげ畑
白い歯と乳房と契る青嵐
生首のいくつ足らざる西瓜盗
傾ぐ木の使者と出遭える湖の底
根元には餓鬼らがほらね蓮の花
銀漢まとい一本足は闘えり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。