『休暇明』は田上比呂美(1956 - )の第1句集。序文:小川軽舟、跋文:布施伊夜子。
著者は「鷹」同人。
ダム湖より吹き上ぐる風蓼の花
冬満月最後に小指はなれけり
菜箸をつなぐ麻紐年の暮
水際に立ちてトマトの丸かじり
打水や電柱の影くつきりと
溶接の火花滝なす秋の暮
剝きだしの塩ビの管や落し水
林道の日の差すところ冬の蜂
トラックの集ふコンビニ去年今年
次々と子猫現はれ鉄工所
産道を抜けたるごとし夏の月
券売機だけの駅舎や鷹渡る
春待つや地に響かせてディジュリドゥ
駄菓子屋の菓子は原色春の雪
休暇明耳ひつぱつてピアス挿す
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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