『青き薔薇』は巫依子(1972 - )の第1句集。序文:行方克巳、帯文:西村和子。
著者は「知音」同人。
体温の触るるを拒み冬の薔薇
花嫁と言ふは道化師髪に薔薇
時の日の何のためでもない時間
バレンタインデー豚まんもハート型
丑三つを過ぎて佳かりし風の盆
夏痩せのきつとこの男もひとり
大阪の女に戻り大晦日
買初めの気づけば海の色ばかり
滝浴びのふと狼の眼をしたり
古文書の行間の如滝の面
盆提灯その奥の寝間あらはなり
尾道の男に喰はせ味噌雑煮
波音の聴こえ来るまで白牡丹
カーテンの開かれぬまま花火の夜
嚔してパブロ・ピカソの泣く女
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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