『猫も天使も』は照屋眞理子(1951 - 2019)の第3句集。
著者は「季刊芙蓉」元代表。
陽炎に置かむと母を連れ出しぬ
蛇穴を出でて見知らぬ真昼かな
春風や猫にほのかな記憶力
点景に君置き五月出来上がる
夕焼がきれいとそれだけの電話
魑魅魍魎(あやかし)の昼は眠たし濃あぢさゐ
虹色の毛虫なら愛してくれますか
尾の名残つばさの記憶裸かな
黒猫を入れて全き木下闇
サングラス月の窓辺に置いてやる
母刀自やさやかに子の名忘らるる
いつも見て乗らぬ列車や天の川
小鳥来るしづかに本の山崩れ
少年の躰よく寝る神の留守
その地名読めぬまま書く賀状かな
※本書は版元より寄贈を受けました。記して感謝します。
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