『千艸』は伊藤敬子(1935 - 2020)の第18集。
著者は「笹」主宰。
山火燃ゆ追憶一つ一つ美し
春夕焼応ふる位置に乗鞍岳
去りゆける平成の世を雛と見つ
玉椿花入れとして鶴の首
み空より垂るるさくらに二指ふるる
里山を水駆けおりる竹の秋
ゆく春や飛騨は大きな詩の器
令和の世はやも旬日薔薇の花
深海のいろまとひたり夏衣
漢籍を曝せば語る亡き人ら
水羊羹交はすことのは美しく
戦艦大和回想談より 二句
形代に似て配らるるにぎりめし
戦艦大和回想談より 二句
艦上の闇は重しよハンモック
白桃を食うべ陰翳礼讃す
はつはるや浜のホテルの玉子焼
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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