『くれなゐ』は中西夕紀(1953 - )の第4句集。
著者は「都市」主宰。
店奥は昭和の暗さ花火買ふ
かなぶんのまこと愛車にしたき色
毛糸帽被りて才気消されけり
筆圧にペンみしみしと雲の峰
一生に一茶二万句三光鳥
大枡のぬらぬら赤き金魚かな
戦争を見し石鳥居草を刈る
豆腐煮るうゐのおくやま来し鴨と
悼 大庭紫逢さん 四句 から
本読むと大緑蔭へ行かれけり
海側を灯してをりぬ夏館
西瓜浮く井戸ありギター弾いてをり
茶柱のやうに尺蠖立ち上がる
かりがねに峰の観音開きかな
古草の光ためゐる汀かな
暗がりを子のよろこべる月見かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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