『二月風廻り』は渡嘉敷皓駄(1943 - )の第2句集。序文:宮坂静生。
著者は「岳」同人。
喜屋武岬海青ければ燕来る
寄居虫(がうな)群る未収骨ある壕の跡
赤海亀群るる戦艦沈む海
炎昼や大魚を燻す露天市
パイン熟る餓島の父へ供へけり
夏至南風(カーチーベー)ガマあらば皆碑文建つ
立雲へ土用の波の白蛇かな
信天翁殖ゆるや二月風廻り(ニンガチカジマーイ)
鉄砲百合いくさは常に海より来
赤紙てふ父の遺品や六月来る
盆の月稚児エイサーの路地めぐり
軍用地売り買ひさるる溽暑かな
立雲は大和・武蔵の卒塔婆(ストゥーパ)よ
烏瓜引かば戦の骨が鳴る
炎帝や八紘一宇髑髏の歯
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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