『ひかりの筐』は小池とも子(1953 - )の第1句集。跋文:吉成真由美。
著者は「未来図」同人。
野焼果て風は余熱をもてあます
囀りの中に古りゆく団地かな
イギリス 四句 から
ゴシックの塔の押し上ぐ夏の雲
風鈴の一つ一つの孤独かな
神経質な秋の金魚よ子は遠し
宇宙船のやうな新駅秋うらら
マクベスの兵の敗走枯蓮
よく跳ねるゴルフボールや五月富士
アメリカ 四句 から
巨き蟻ホワイトハウスの柵を越ゆ
稲穂波四方より迫り父の墓
寒月光妖怪事典と眠る子に
純白のテーブルクロス桃を置く
濡れながらティッシュ配る娘聖夜の灯
遠雷や古書肆の本の崩れさう
胡桃割る音よ地球の割れる音
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。