『ふりみだす』は秋尾敏(1950 - )の第5句集。
著者は「軸」主宰。
母の日のパンプス岸にたどりつく
蓮の花夜更けて水になる少女
大寒の鴨井に細き鬼の指
東武乗馬倶楽部 二句 より
開花宣言鞭持つ少女ぞろぞろと
長崎ちゃんぽん母の日が過ぎている
いろいろな飛行機が来る夏の空
罪科のしばらく軽しどんどの火
水木しげる氏追悼 二句 より
冬銀河目玉おやじが渡りきる
印旛沼とはさみだるる種の起源
七夕の空に石積む男かな
巨峰ひと房何の憂いもない
霧は道づれ戦後に長い裾野がある
ぬくもりは吹き残されてクリスマス
卯の花腐し書庫に刃物の二三本
一等の子が振り返る秋の空
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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