『象潟食堂』は守屋明俊(1950 - )の第4句集。
著者は「未来図」編集顧問。
次男
炬燵出て腹筋鍛へ二十二歳
アクターズスクール宜野湾の残暑光
三月十一日 東日本大震災 学内泊
看護実習用毛布重しや分かち合ふ
春塵を掃く抵当権取れたる日
毀つ家蝶はどこへも抜けられて
青葡萄の汁の飛び散り「ぴあ」終刊
原発の爆発音を語れば汗
もう翅の生えしも混じり蜂の子飯
閻魔より阿弥陀恐ろし松の花
年寄に持たすと乱射水鉄砲
小諸 二句 より
春暖炉葡萄の蔓を二三焚き
糸吐いて吾子もモスラも繭ごもる
生身魂数珠揉むごとく箸洗ふ
零戦の消えにし空や藷を焼く
その朝も毛布畳みし知覧かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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