『乾杯』は大文字良(1954 - )の第1句集。序文:小澤實。
著者は「澤」同人。
Gパンの尻に見惚れし桜かな
城なべて石の力や冬紅葉
寒鴉フォークソングを唄はんか
荒ぶ田や猪の匂ひの残りたる
一升瓶ごと燗つけよ秋祭
珈琲を濃く淹れ賀状読み直す
雛あられ抛るや犬の跳び食へる
芋蔓を曳き行く猿や手には玉葱
コンビニエンスストア車つぎつぎ雪載せ来
白梅の下を駆けるや猿五匹
ビルの窓突く鴉や梅雨に入る
サッカーボール蹴り抜かれたり春の泥
メーデー果つ雨に膨らみ段ボール
ウヰスキー買ひ来て妻とバレンタイン
トンカツを揚ぐる匂ひや子供の日
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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