『明朝体』は森下秋露(1976 - )の第1句集。序文:小澤實。
著者は「澤」同人。
使ひ捨てカイロ固まる毛羽立ちて
イグアナの尻尾床暖房の上
キャッシュカード我が名の突起冷たしよ
戻したる干椎茸や絞れば鳴る
釜揚げのしらす柔しよ飯粒より
トロ箱に蛸伸びきるや剥がせざる
子の口をあふるる母乳日脚伸ぶ
ピアスの穴ふさがりかけや新社員
骨折の先輩見舞ふ日焼の子
換へし花かさりと鳴るや墓参
腹と腹合はせ授乳や明易き
警官のメッシュのベスト躑躅咲く
嬰泣くや柚子湯の柚子の寄り来れば
プールサイドに尻の跡あり皆立てば
サングラス畳まれ右の蔓が上
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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