開成学園俳句部の部誌「紫雁」第17号(2019年9月)から、全員一句ずつ。
重田渉(高一)は今年の第22回俳句甲子園の個人最優秀賞句《中腰の世界に玉葱の匂ふ》の作者。
以下、高三の作品。
ぶらんこを降りれば昏き池袋 関口礼児
以下、高二、高一の作品。
寒明や藥罐の底の鈍き金 佐々木柊
風葬のごとく虫籠吊られけり 笹田陽太
黄昏のはたてをひらく冷蔵庫 重田 渉
霧笛いま仔を売られたる馬のごとく 垂水文弥
以下、中三の作品。
四阿は舟のしづけさ秋海棠 荒川力也
弦楽器みな飴色に日脚伸ぶ 佐伯冴人
みづうみの如く凪ぎたる受験かな 佐々木拓実
成人の日に強風を賜りぬ 佐藤 颯
夏帽を落とした町にやつて来る 鈴木ヒロアキ
新鮮なひかがみあまた運動会 中川収三
秋雨や平均台に傷あまた 宮下春希
観覧車そのおほかたは月のもの 谷田部慶太
掛けてみて白帆の如き初暦 山崎勇獅
少年の石を匿ふ花野かな 根木波輝
以下、中二の作品。
みほとけに水晶の目や山眠る 鈴木丈句朗
大河へと飛び込む心地西瓜食ふ 児玉悠希
甲虫電子回路のやうな腹 鈴木智仁
以下、顧問の作品。
冷蔵庫父の時間を照らしけり 佐藤郁良
神社より寺の和金の肥えにけり 近藤 剛
初晴や口実もなく手を握る 石丸恵彦
コメント
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