『水界園丁』は生駒大祐(1987 - )の第1句集。
著者は「天為」「オルガン」「クプラス」などを経て無所属。
鳴るごとく冬きたりなば水少し
せりあがる鯨に金の画鋲かな
まひるまを千鳥のこととして眠る
枯蓮を手に誰か来る水世界
能面の木箱へ帰る時雨かな
ゆゑに侘助水も己を不気味がり
雨のとびかひてあかるき花の昼
鯉抜けし手ざはり残る落花かな
鳥たちのうつけの春をハトロン紙
六月に生まれて鈴をよく拾ふ
蝉いつも遠しよ水の味して汝
擦りへりて月光とどく虫の庭
梨の皿葉書の隅のはるかな帆
十月を針の研究してゐたり
茸から糸でて南部鉄瓶か
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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