『入口のやうに出口のやうに』は小島一慶(1944 - )の第1句集。序文:星野高士、阿川佐和子。
著者は元TBSアナウンサー(90年以降フリー)。
福寿草空のはじまる低さかな
入口のやうに出口のやうに夏至
ことりとも山は動かず返り花
更衣まだ海の色ととのはず
十薬や雨にくぐもるひとのこゑ
梅雨ふかし賽銭箱の錠前も
秋風のまよひたき露地ありにけり
神の旅地にあるものは朽ちやすく
この世だけつながる電話いわし雲
応仁の乱のことなど冬紅葉
ひとはみな誰かを待たせ冬の草
今も言へる恩師の住所花は葉に
薄切りの厚焼き卵避暑の宿
肉じやがのにほふ楽屋や盆芝居
盆芝居果てて果てなき波の音
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。