『俳句日記2018 そして、今』は大牧広(1931 - 2019)が昨年連載していた俳句日記。
百までも生きたい冬の水平線
西行忌川の匂ひのしてゐたり
遠方の煙が折れて田植寒
雛あられその桃色をこぼしけり
春と思へ紅茶にウイスキー小々
初蝶をしかと見届け病院へ
鳥交る空といふものありにけり
メロンてふ儚さ旨さ日が暮れる
ちさき団扇ちさき風しか出さぬ
夏菊や変つてをりし雲の位置
虫の音のとどかぬ階に住み八十路
干柿の戦前戦後甘かりし
きびきびと牧閉されし一集落
十一月半ばの町のしろじろと
吉良の忌の森より鳥のこぼれけり
※本書は版元より寄贈を受けました。記して感謝します。
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