『八月四日に生まれて』は山本敦子(1942 - )の第1句集。帯文:高橋睦郎、序文:高山れおな、跋文:鈴木明、栞:筑紫磐井、関悦史、石田杜人。
著者は「野の会」無鑑査同人。鈴木明夫人。
あなたが居れば千倍きれい嵯峨野は雪
名月や夫の歩調は早すぎる
会話佳境へ絨毯に直坐り
初御空広すぎて何祈ろうか
寒夜馳ける超特大のわが泣き声
夏の霧友忽と消え何故どうして
虐待児の逃げ場なき闇青葉木菟
七十過ぎてもムッちゃんアッちゃんかき氷
堪えてなお「馬鹿めが!」と吠ゆ星月夜
老夫婦になったんだ巨船飛鳥の冬
三十年ずうーっと蜜月アマリリス
術後覚めて兄・夫の顔笑ってる春
さくらちる商魂抜ければ常(ただ)の人
秋夕焼二階間借りのタカラジェンヌ
蓴菜のようなお方やなぁあんた
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