『夜航樹』は打田峨者ん(1950 - )の第5句集(か。他に私家集1冊)。
著者は無所属。
泥田耀(テ)り スマホに俯く翁B
路地口過(ヨギ)る暗緑 あれが彷徨樹
バス待つ聖母子 中板橋の春に暮れ
銅鏡や ふと秋燕を仰ぎ見し
荒れ館 青葉がくれに出窓猫
干反りたる獣皮のサドル 清張忌
戦争は己れが好きで好きで八月
「オレ」は少女で「自分」は少年 生姜市
「だぜ」てふ語尾護持せり月の少女団
枯野原 をちの重機と昼餉かな
防雪林「普通に優しい人でした」
街臭にいつよりぞ狎れ春時雨
――白蟻さんのグッドジョブとか
春や咒言(マジゴト)》ブホブォバヒヴ《とディジュリドゥ
背より抱く濡身の胸乳(ムナヂ) 父母未生
ユーラシア 恥骨の隙間 ボスポラス
水晶の夜ぞ更けわたり提燈行列
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
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