『一樹』は大畑善昭(1937 - )の第2句集。序文:能村研三、解説:鈴木比佐雄。
著者は「沖」「草笛」同人。
鞭愛す少年に霧おびただし
葛咲いてむかしころりと人の首
かなかなや童子童女の間引子に
鉢合せして身を退きぬ鈍(のろ)の蛇
草取の蹲踞土葬は無くなりぬ
宝徳寺
墓ひとつ足りぬと蝶の引返す
落葉終りたる山中につねの瀧
暗紅葉明紅葉谿ふかく入り
沈丁の香にガリレイの話せり
夏休みなりしが長女陸上部
素手をもて縄を切るこつ冬支度
西国に空海のゐる秋日和
牡丹活けよか師の泊りたる部屋に
さて参りませうか狐雨に虹
日の漏れて谷の妖精とりかぶと
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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