『福島』は赤間学(1948 - )の第1句集。
著者は「仙台一高楡の会俳句部宗匠」「滝」同人、「青磁会」会員。
エジプトの天秤思ふ春の月
板の間に眠る子のをり雲の峰
豚カツにキャベツ大盛り更衣
縄文人の骨の飢餓線冬銀河
捨玩具るりいろといふしぐれかな
鎌池と鉈池のあり紅葉山
立つ雲に閃光の夜や沖縄忌
滝の前おほむらさきの吹かれをり
一握りの新米を盛る家祠
除染女の日焼の顔にマスク痕
大海にセシウム洩るる炎暑かな
床に膝給ふ行幸夏の月
来て知るや向日葵の空の高さを
一時帰宅花野の雨となりにけり
父母を沖に見しより星月夜
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します(2018年12月31日、著者の所属を訂正)。
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