『青花帖』は橋本薫(1949 - )の句集。帯文:黒田杏子。
著者プロフィールには「須田菁華に師事 陶工」とのみ記されているが「後書」からすると「藍生」会員。
元旦の荒海折口父子の墓
微震あり塔のどこかに蝶がゐる
雨の香や亜細亜の隅に蚊帳を吊り
花篝少年の眸を面の奥
夢に女を刺せば無花果なりしこと
秋の日の回転木馬白馬のみ
優曇華を眺めしのちの窯仕事
籐椅子に毒草ばかり草日記
夜雨舐めて夜光盃色なめくぢり
虎鶫おまへも朝がこはいのか
不如帰妄りに母を呼ぶなかれ
皺みたる黒立葵画室より
旱雲ヴェニスに蛸の旬が来て
涼夜かな青花壺中に座すごとき
和語仏語羅甸語朴の葉の落つる
※本書は関係者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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