『けものの苗』は竹岡一郎(1963 - )の第3句集。
著者は「鷹」同人。
狐火に守られて森怖くない
自傷あまたの四肢暮れなづむ学校プール
花嫁のため食人植物(トリフィド)の花氷
水母は灯七歳までは神のうち
蛸屋敷こそ松原のすつてんてん
一家戦没以来不死なる竈猫
殴られすぎて音楽になる雪か
天井に包丁吊つて冴えて安心
手花火に透けてたたかふ子どもたち
犬死は嫌です高速で泳ぐ
虎、あざやかな風紋となつて私へ
看経を聴く蛇となり拝む手生え
白南風へエメラルド吐き散らす旅
スカートの中が嬉しい雨蛙
夏痩せて未来しか見ぬ老女かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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