『管制塔』は内田茂(1953 - )の第1句集。序文:大島雄作、跋:ふけとしこ。
著者は「青垣」編集室チーフ。
山笑ふ路肩に地図を繰りをれば
北斎の波待つサーファー握り飯
天心と大観を見て栗ごはん
鉄の蜘蛛のオブジェの影冴ゆる
家族みな出がけに触れて干大根
宇宙旅行契約せむか柏餅
フェルメールの牛乳零す今朝の冬
万緑へラップを聞かすスピーカー
昼寝覚酢飯を扇ぐことになる
気を付けの姿勢揺れをり原爆忌
運動会母の絶叫タガログ語
怖いもの見たさの海鼠裏返す
読点の多き手紙や柳絮飛ぶ
迂回して原発覗く盆帰省
ロボットの声は少年冬ぬくし
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
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