『俳句甲子園出場』は益永涼子(1970 - )の第3句集。序句:森川光郎。他に生徒たちの跋文数篇。
作者は「藍生」所属、「桔槹」同人。会津高校教諭として昨年の俳句甲子園に生徒を引率。
少年の恋聞く春のアドバルーン
仙人掌の花や波音近くする
雪来るや山里に真つ赤なポルシェ
冬晴れの円形競技場に猫
俎板の魚の眼雪しきり
煮くづれし魚の切身冬銀河
曼荼羅の色の鮮やかさは春の
女四人熊野三山虹二重
ステンドグラス窓の一枚開き夏
凱旋門横より入りし人の夏
帰国後に咳一つして解散す
ばれん一個父の書斎に雪月夜
春場所の帰り陶器の花瓶欲し
図工室日だまりとなる実葛
竹皮を脱ぐや少女は水欲す
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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