『御意』は黄土眠兎(1960 - )の第1句集。帯文:小川軽舟。
作者は「鷹」同人、「里」会員。
寒雷に原野目覚めてまた眠る
冬帽をかぶり棺の底なりき
ものの芽の一つに卓のヒヤシンス
春の人箱階段を上りけり
遠足の列に行きあふ爆心地
うかうかとジャグジーにゐる春の暮
夏兆す木工ボンド透明に
リラ冷えのシベリアへ向く鶏冠かな
笛方を待ちかねてゐる青葉かな
金魚田の金魚や泥に潜りたがる
アマリリス御意とメールを返しおく
蜘蛛の囲にかかつてばかりゐる人よ
菊人形肩より枯れてゆきにけり
秋深しギリシャ数字の置時計
さびしからずや南極の火消壺
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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