『ゴールデンウィーク』は西山ゆりこ(1977 - )の第1句集。序句:西山睦。装丁が何とYMOのレコードジャケット等を手がけた奥村靫正(装画は西山直樹)。
作者は「駒草」会員。
君と来た冬とは違ふ豹の檻
駆け回る子に夏帽で蓋をする
一晩に庭のふくらむ夏隣
逃げ水に踏み台を置く献血車
木星に似る蜂の巣の出来上がる
どか雪のただ中にゐて水が欲し
パプリカの赤を包丁始かな
胎内の水かたむけて髪洗ふ
墓石のどれもが真顔天高し
身の丈を越ゆるカンバス夏来たる
知らぬ子の声に乳張る青嵐
一匹目入る虫籠捧げ持つ
運動会終はる白線鳩歩く
バスケットボールの固さ風光る
無きはずの道見えて来る蝗取り
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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