『主根鑑(おもねかがみ)』は志賀康(1944 - )の第4句集。
作者は「LOTUS」同人。
友もまた鶴の喉に迷いてか
小蛇と行くまだ終ならず耳の旅
夏草に道聞く死後の楽しみや
雨空に蠅の変異のたゆまざる
かの烏賊の眼をもて常在観となす
王無くば雪雲が詩を発すべし
倒れ木となりてぞ風の行方知る
父死ねば葉擦れになりたき風ばかり
初旅やことばは無限花序にして
双頭の友に驚く御来迎
地平線に咲かんと這い行く小昼顔
花の美は隣で咲かねばわかるまい
雉の家夜はみな人体の鳥として
像の蝶相の花野を知悉せる
根の国の空位に叫べ秋の石
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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