『毫』は小野あらた(1993 - )の第1句集。序文:佐藤郁良、跋文:櫂未知子。
作者は「銀化」「玉藻」「群青」会員。
絵も文字も下手な看板海の家
かたつむり殻傾いてをりにけり
鳥の糞青葉の上に乾きけり
しぼませて浮輪の紐の長きかな
梨の花洗濯物は風に冷え
汐干狩間を鳥の歩みけり
母の日やマッサージ機に顔震へ
ほかの色欲しくなりたるかき氷
作り滝よく濡れる石濡れぬ石
壺焼に炎の先の触れにけり
硝子戸に旅館の名前帰り花
雑煮椀餅を捲れば具沢山
春近しモデルルームに寝てみれば
葛餅の蜜の届かぬ角三つ
根の先の丸まつてゐるヒヤシンス
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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