「夢座」(発行人・渡邉樹音)第176号(2017年8月)から。
春の蛸愚忠愚忠と墨出して 佐藤榮市
善人がだんだん重い水中花 江良純雄
鴉にはオテなど無縁梅雨の朝 照井三余
丸坊主無間地獄なりサインポール 銀 畑二
江里昭彦連載「昭彦の直球・曲球・危険球47」で高野公一句集『羽のある亀』、横山康夫句集『往還』、渡邉樹音句集『琥珀』、中永公子句集『星辰図ゆるやかなれば』と並べて拙著『花咲く機械状独身者たちの活造り』にも言及あり。
《関の世界では、すべての領域・分野が等価なものとして同一平面上に配置され、提示される。まさにとりとめのないカタログとして――。この世界を、なんらかの統合的な観点から眺め、秩序化するのは誤りであり、非生産的であり、世界の豊かさを窒息させるふるまいなのだ、という信条が背後に控えている。
この哲学的思考と、俳句化にあたっての確かな技術があれば、作品はいくらでも書ける、と主張したがっているようだ。それほど、彼が展開する世界は、雑多であり、限界を知らず、節度を弁えず、貪欲で、好奇心旺盛で、かつシャイでもある。》
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