『上馬処暑』は桑田真琴(1962 - )の第1句集。序文:鈴木明。
作者は「野の会」同人。
水と火の古代哲学初暦
冴え返るヒロシマにあり黒き爪
古裂十色戦火を越えて雛祭
暮れどきの落花の馬場を鼻で擦り
土用鰻丼分け合う関係日暮れ前
淑気満つ少女のシャドウボクシング
母ぽつりこんなに生きて終戦日
始発寒安シャンプーに肩を貸す
月下美人何もなかった一日に
平うちの簪もらう夏の恋
黒揚羽気づけば深き河の底
地に蚯蚓天に無名の惑星群
八月の変哲もない日の亡霊
語り部の齲歯がこわい秋の夜
ジャンギャバンモノクロームの檸檬抛る
※本書は鈴木明氏より寄贈を受けました。記して感謝します。
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