『水掻き』は、第6回百年俳句賞――大人のための句集を作ろう!コンテストの最優秀作品を冊子化した、ふづき(1961 - )の句集
作者は2007年、夏井いつきのカルチャー教室で句作開始。
春や土起こせば縺れくるひかり
解氷の朝をきんいろなる羽音
叱られて菫より母小さくなる
蝌蚪の足伸びる速さで炉に亀裂
湯にゆらぎ春宵の茶葉ふくらみぬ
前列より配るテキスト朝桜
母屋より届く五分粥花うつぎ
潮と潮ぶつかり夏の月あかあか
龍の尾のごとき早瀬や雷去りぬ
俳人A蔵の窓より蜘蛛放つ
白杖は夕蝉の杜抜け来しか
古墳までコスモスうねる野を犬と
秋薔薇や禁煙席を分かつ玻璃
父の忌はいつも晴れます柿羊羹
すみれ色の湯を抜きボーナス日の終わる
※本書は版元より寄贈を受けました。記して感謝します。
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