『プレイ・オブ・カラー』は森澤程(1950 - )の第2句集。跋:花谷清。
作者は「花曜」で鈴木六林男に師事後、「光芒」(久保純夫代表)、「風来」(和田悟朗代表)を経て、「藍」(花谷清主宰)入会。
花栗や星より静かなものに坂
少年に梅雨の障子の発光す
鉄柵に粘っていたり蝸牛
虹消えてシーソーに苔這いのぼる
かなぶんの青と藍との境界線
花冷えの胸のあたりが水平線
囀りを身に貯えている岬
石を伐りそれから花を見て眠る
はじまったばかりの映画六林男の忌
一点のゴリラがぬくし観覧車
太陽を数歩しりぞく蟇蛙
七夕の預かっている女の子
老女やらアロエそばだつ夕時雨
セーターの毛玉取りつつ滅びるか
黒金魚卓布の襞にふれにくる
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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