『レインボーズ エンド』は前田霧人(1946 - )の第2句集。エッセイ等を巻末に収録。
作者は「天街」「草樹」「杭」所属。
まっすぐに曲がっておりぬ初宇宙
図書館に変人多し日脚伸ぶ
いっせいに浅瀬へ春の魚たち
卒業写真に叱られている夜
不可解を落し続ける春の滝
青葉風ぼくはどんどん若くなる
居酒屋の廊下に段差河童の忌
片隅の斧歩き出す午前二時
平成は夢にうつつに黴の生え
水無月の議事堂ひとつ紛失す
一国の売りに出される薄暑かな
夏草のスカイツリーよりは低し
行く秋のどこかで首の落ちる音
無人駅の人となりたる秋の午後
凍蝶やつまめば前世柔らかき
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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