「鬣」(代表:林桂、編集:水野真由美)第60号(2015年8月)から。
外山一機俳句時評「読み手の本懐について」は三橋敏雄の話題を経て「庫内灯」のBL俳句の話。
老猫と六月の水飲んでをり 水野真由美
酔ふまでもなく屋根裏の遠花火
月下美人(げつかびじん)の蕾(つぼみ)の中(なか)の薄(うす)あかり 林 桂
人(ひと)がまだ空(そら)飛(と)ばぬ代(よ)の百日紅(さるすべり)
割り算の途中キツネを待たせてゐる 吉野わとすん
衛星(ゑいせい)
ひとつ
波打際(なみうちぎは)に来(き)て
火照(ほて)る 中里夏彦
蛇が来て桝村は麦秋だといふ 外山一機
胡麻豆腐死線のような椀のふち 後藤貴子
鬣の会から文庫版の『定本 三橋敏雄全句集』が刊行された。2,500円、限定400部なので欲しい人は急いだ方がよい。かつての立風書房版『三橋敏雄全句集』には収録されていなかった『しだらでん』とそれ以後の句もまとめられている。鬣ホームページから注文可能。
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