「日時計」(発行:坪内稔典)No.1(1969年2月)から。
ゆきがかりで攝津資子氏(幸彦未亡人)からまとめてお借りすることになった同人誌。
坪内稔典「俳句の構造(第一回)」を掲載。
この第一号のみ、句を出している作家全員の句を引く。
日曜午下シヨパン聴く児の脳冴えしか 赤尾兜子(「渦」主宰)
眠る山繭シヤンペン雪に突きさして
微笑を下さい しゆりーんと鉄を切つたあと 坂口芙民子(「オノマトペによる50句」から)
齧りハムの血 は僕の血 霰を全身に 島田多喜次
卵の全身濡らす夜会の塩の皿 立岡正幸
学園封鎖へ 肩では水になる霙 伊丹啓子
雪降りなさい 貴女の泣き伏す その背に 矢野 豊
理科室の水のたそがれ フラスコに 蝶を飼い 攝津幸彦
東雲の顔が燃えだそうとして独り 三宅博子
雪野でゆらめく 人影 の中も雪が降り 沢 好摩
眠い音楽もやしが夜の時計飼い 坪内稔典
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